2014年9月8日 台風18号の大被害から10年
中島公園を襲った2004年の台風第18号から10年たった。余りにも大きな被害なので市民の関心もきわめて高かった。しかし10年一昔と言われるように、どこか遠い話として忘れ去られようとしている。

2001年11月3日撮影、2004年9月8日ポプラ並木は台風で倒壊。中島公園で一番好きな風景は行啓通のポプラ並木だったが、今はないし再び植えられる気配もない。

ポプラ並木はこの様に折れてしまった。2004年9月9日撮影
下は反対側から撮ったもの。前方に幌平橋。
上と同じ場所の10年後の姿。ポプラ並木は消え何の変哲もない普通の道路になった。
2005年9月8日撮影

台風被害1年後、背の高いポプラ並木はこんなに小さくなってしまった。葉を生やして必死に生きようとしているように見える。
2014年9月7日撮影

同じ場所だが、10年たったら跡形もなく消えてしまった。ポプラ並木は人々の記憶の中にしかない。記憶を持った人も次第に減るだろう。ところで地下鉄出入口後方にポプラが一本。幹に白い点が見えると思うが、それは木に貼り付けた「お知らせ」である。 2014年9月7日撮影

「危険木処理作業のお知らせ」と書いてある。このポプラも近いうちに姿を消しゼロとなる。
2004年9月8日 台風当日の画像
札幌コンサートホール・キタラから菖蒲池の西岸へ、そして豊平館、日本庭園、児童会館へ、そこからくるりと回って菖蒲池東岸から南岸への順番で撮影。

キタラ南側の駐車場。

日本庭園南門(臨時閉鎖中)

日本庭園は閉鎖されていたので藤棚に向かうと、倒木でよく見えない様な状態だったが、中に入るとガッチリと藤棚で守られ歩き易かった。

通常はこのような形の藤棚。6月に咲く満開の藤が素晴らしい。2014年9月10日撮影

売店ミドリ(花月)

彫刻「のびゆく子等」の像に柳が倒れ掛かっていた。後で補修したようだ。それにしても大きな根っこだ。これが倒れるとは相当な強風と思った。

中島児童会館

彫刻「森の歌」の立っている9条広場では沢山の木々が倒れた。枝が折れた木々も多かった。

「森の歌」のある9条広場で反転して菖蒲池東側遊歩道を菖蒲池に沿って南下した。途中でボート乗り場のチケット売り場が倒れているのが見えた。大木が横倒しになっていたが簡単に通り抜けられた。
菖蒲池東岸の遊歩道は水と緑に包まれている。2014年9月10日撮影
菖蒲池の東側にある林の中でも多くの木々が倒れていた。枝折れした木が落ちてくるかも知れないので林の中には入らなかった。

菖蒲池南側の河口付近では大木が倒れていた。その為キタラが丸見えになってしまった。池越しに見るキタラは木々の陰で美しかったので惜しいことをしたと思った。キタラ、木々の緑、水面、これらが組み合わされて風景が作られていた。木々が倒れて、初めてこのことに気がついた。

菖蒲池南岸近くに、マガモ、カラス、オオセグロカモメがいた。植物は倒れているのに動物は元気だ。動けることは生き物にとっていかに生存に有利か思い知った。台風直後の中島公園はいろいろなことを私に教えてくれた。
2004年9月9日 台風当日撮りきれなかった場所に行った。
先ず最初に護国神社、幌平橋駅方面に向かった。次に体育センター前から自由広場、菖蒲池西岸中央まで行った。

札幌護国神社彰徳苑。ここには慰霊碑、記念碑がある。

「ノモンハン英魂の碑」の前に10年前に倒れた木の切り株が見える。2014年9月10日撮影

鴨々川水遊び場の遊具。この辺りの倒木も多かった。

大木も倒れて無くなれば新しい風景に変わり大木の存在は忘れ去られる。2014年9月10日撮影

地下鉄幌平橋駅2番口は鴨々川水遊び場に近い駅。中島公園の中でも水と緑の豊かな場所。沢山の倒木があり、台風通過後はスカスカになってしまった。

大きな枝が折れたが形を変えて生きている木。2014年9月10日撮影

地下鉄幌平橋駅1番口付近は、ほぼ全滅に近いポプラ並木等、台風被害が一番大きかった場所。10年たっても台風の爪跡がハッキリ残っている。ただ緑はそれなりに回復するので、台風以前を知らないと変化に気づかないかもしれない。

台風被害前は緑が鬱蒼と生い茂る幌平駅前だったが、スッキリした感じも悪くない。2014年9月10日撮影

中島体育センター前の多くは芝生の広場になったいる。今になると台風被害などなかったように思えるが、この様に倒れた木々も少なくはなかった。

木々が無くなって得たものと言えば、開放感。2014年9月10日撮影

園路の向こうは自由広場。この様に根こそぎ倒れた木々が此処だけでなく公園中で見られた。

箱形の機械設備とホテルファイフォートが目印になり、ここが同じ場所であることが分かる。

菖蒲池西岸中央、台風後に菖蒲池の看板が立てられたところ。池の景観ポイント。
2014年9月10日撮影

大木が倒れても10年もたてば周りの木が生長して失った緑をカバーする。2014年9月10日撮影
2004年9月11日 9月8・9日撮影分と重複しない2枚。
ボートハウスのチケット売り場が倒れた。

人形劇場こぐま座前の遊具は倒れた木々で埋まってしまった。

この辺りでは多くの木々が倒壊したが植樹もしないのに緑を回復した。2014年9月10日撮影
2004年9月15日 台風通過後1週間

台風通過の1週間後、地下鉄幌平橋駅前はスカスカになってしまったまま。

幌平橋駅近くの園路、整理は進んでいるが時間はかかりそうだ。
2004年9月20日と台風前5月12日比較
台風前、台風後、現在の写真を3枚並べてみた。

台風前の春2004年5月12日の幌平橋駅前。夏になると鬱蒼とした緑に包まれていた。

折れた木は伐採され丸裸になった様な2004年9月20日の幌平橋駅前。

地下鉄幌平橋駅周辺は台風第18号の爪跡を未だに残している。しかし10年以上前の風景を知らない人にとっては、これが普通の風景。古い記憶のある人にだけ見える台風の爪跡がここにある。2014年9月10日撮影
posted by nakapa at 06:29|
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