〜2013年7月17日 中島公園野外彫刻鑑賞会〜
桑園地区文化部の方々が中島公園内の野外彫刻鑑賞のために訪れてくれた。
ご案内は野外彫刻の調査・清掃活動に実績のある札幌彫刻美術館友の会。
心地よい涼風の中での散策と彫刻巡りの2時間であった。

10時に九条広場にある「森の歌」の前に集合。
桑園地区文化部と札幌彫刻美術館友の会がお互いに挨拶を交わす。

先ず最初に全員一緒に「森の歌(山内壮夫)」を鑑賞。説明は札幌彫刻美術館友の会解説委員。
爽やかな朝とはいえ夏の日差しは強い。一部の方々は木陰で説明を聞く。説明はマイクを使う。
彫刻は大きいので、ある程度離れていたほうが観やすい。

「森の歌」の解説が終わり、小グループに別れて次の彫刻に向かう。建物は中島児童会館。
木陰に隠れているのが子供たちに人気のある人形劇場こぐま座である。

この彫刻については想い出がある。第4回中島公園彫刻清掃(2009年9月実施)には
「のびゆく子等」の作者である小野健寿氏が製作者としての取り組みなどを説明してくれた。
友愛の心で命の喜びを表現したと言う。なるほど子等の姿が生き生きとしている。
生き生きしているの同義語の一つに「のびのびと」がある。
それで「のびゆく子等」。これは私の勝手な解釈。

「四翁表功之碑」札幌の開拓に貢献された水原寅蔵、大岡助右衛門、石川正叟、
対馬嘉三郎」の四翁の功績をたたえる石碑。裏側に散策のための小道がある。
左上の旗はPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)の開催を示す旗。
ほぼ7月いっぱい若手音楽家育成を目的とした音楽祭は開かれている。
メイン会場は札幌コンサートホール・キタラ。

「四翁表功之碑」の解説中、なにやら騒がしいので、ふと後ろを見ると母鴨が4羽の子鴨を従えて泳いでいる。
2羽を連れた母も居た 現在3組の親子鴨が中島公園内に居るはずだが、その内の2組がここで泳いでいた。

日本庭園内を散策、国指定重要文化財八窓庵に向かう。

安土桃山時代から江戸時代初期の茶人、小堀遠州がつくった茶室。

八窓庵の鑑賞を終わり日本庭園から次の彫刻に向かう。
次は札幌コンサートホール・キタラ前広場の「相響」。

「相響(安田侃)」は、札幌コンサートホール・キタラ前広場とキタラ内の大ホール入口と
ホワイエにある作品の3体がセットになっている。サンセット・エコー??
この彫刻は一部の人に怪獣の卵とか言われ親しまれている。
イタリア産の大理石で水に弱いと言う事で冬はシートで覆って保護している。
八窓庵は保護のため冬はプレハブを建てその中に収める、相響はシートで覆われる。
そして菖蒲池は凍結し雪の下に隠れてしまう。中島公園冬隠れ三兄弟?

画像は「鶴の舞(山内壮夫)」。1959年「森の歌」など4基の山内作品が設置された。
約2年後の1961年に設置された。ネットで調べると山内壮夫の「鶴の舞」はこの他に2点あった。
北陸銀行札幌支店と旭川の花咲大橋。いずれも鶴と言われれば鶴かなという感じの「鶴の舞」。

バラの花に囲まれた「笛を吹く少女(山内壮夫)」」は美しい。
私の大好きな像だが、設置されて半世紀もたってしまった。セメント彫刻の寿命が近づいている。
昨年はこの少女の像の劣化防止作業を「友の会」で行った。
今年は「鶴の舞」を実施する予定。「猫とハーモニカ」と「母と子の像」は既に実施済み。
彫刻のアンチエイジングに札幌彫刻美術館友の会が取り組んでいる。

「母と子の像(山内壮夫)」は2007年6月、悪質な悪戯に遭った。
転がされたり、目を花火で焼かれたりする事件がきっかけとなり、
札幌彫刻美術館友の会が近所の住民と協力して彫刻清掃をすることになった。

彫刻と彫刻の間がいい散策コースになっている。彼方に見えるのは藻岩山。

皆様が鑑賞しているのが「猫とハーモニカ」その向こうに小さく見えるのは「鶴の舞」。
いずれも山内壮夫の作品。彫刻のあるこの広場はかっての百花園。
今は「香の広場」と呼ばれている。

中島公園で一番古い彫刻は、1941年に設置された「木下成太郎像」。
当時、東洋のロダンと称せら れていた朝倉文夫の作品である。

「木下成太郎像」を後にして文学館に向かう。林の中を涼風に吹かれて歩くのは気持ちいい。

12時少し前に彫刻鑑賞会は終了。北海道立文学館で解散した。皆様お疲れ様でした。
中島公園を訪れてくれて有難うございました。