中島公園内の野外彫刻の清掃を実施しました。
中島公園近所の住民、近隣ホテルの方々、それに美術愛好者が協力して行いました。
主催は「中島公園モニュメント研究会」及び「札幌彫刻美術館友の会」です。
集合場所は文学館前ですが、片隅にひっそりと集まりました。おくゆかしい感じですね。

さあ! 野外彫刻清掃に出発です。

先ずは彫刻の説明です。 これは朝倉文夫作の「木下成太郎先生像」です。
朝倉文夫という、当時の日本彫刻界をリードする大人物の作品が中島公園だけに残されたのです。
まさに奇跡です。 戦時中、物資不足のため、朝倉文夫のブロンズ像が400点も潰されて大砲にされました。
その中で、この作品だけが生き残り、非常に貴重なものになってしまいました。

このように貴重な美術品の清掃ですから、絶対に瑕をつけてはいけないのです。
作業に先立ち、彫刻清掃のやり方を説明します。

いよいよ清掃開始です。
今回は3回目ですが、近隣のホテルから若い方々も加わってくれて、とても助かりました。

ワックスをかけて仕上げます。

その後、中島公園ほぼ中央の芝生の広場に移動しました。
ここには郷土が生んだ日本の代表的彫刻家、山内壮夫の彫刻が4点あります。 これは「鶴の舞」です。

山内壮夫「猫とハーモニカ」。 左側に記録簿を持った人がいます。
清掃だけでなく、データベース構築のためのデータ収集もします。
各彫刻の縦横幅を計測して記録します。

山内壮夫「母と子の像」
今回で3回目ですが、若い人の参加が増え、老若男女が協力しての世代を超えた彫刻清掃となりました。

山内壮夫「笛を吹く少女」

以上、4点の作品がバラの花壇で囲まれて、
「山内壮夫ワールド」のような芝生の広場です。

札幌コンサートホール・キタラ前広場の安田侃「相響」です。
イタリア産の大理石で作られた美しい彫刻です。 慎重に清掃しました。

山内壮夫「森の歌」の前で説明を聞いて解散しました。
ボランティアによる彫刻清掃は「怪我をしない。彫刻を疵付けない」が大原則です。
この彫刻を清掃するには機材が必要です。
全ての彫刻をきれいにするために、「できることからやって行こう!」という気持ちで彫刻清掃を行っています。

参加の皆様お疲れさまでした。そして、有難うございました。
(「中島公園モニュメント研究会員」このブログの管理人)