2008年11月18日

使われない日本語

2008/11/18

「使われない日本語」       
かって働いていた私の職場はカタカナ用語が溢れていた。 マニュアルや研修資料は英語のものしかなかった。 それを私たちの先輩が一生懸命、日本語に翻訳してくれたのだ。

後から入った私たちは幸せだ。 外国人と一緒に働いていた先輩達は苦労したようだが、私が配置されたときの職場は全員日本人だった。 

せっかく翻訳してくれたマニュアルだが、その後も日本語は使われなかった。 ピッタリ来ないのだ。 下手すれば誤解を招きかねない。 

今まで日本になかったものを日本語にするのだから無理もない。 置き換えるべき適当な日本語がないのに、無理やり翻訳するのだから大変だ。

それでも日本の法律に則った基準を日本語で書かなければならない。 そうして出来上がった「仕事をする上で必要な基準書」だが、訳された用語だけは、誰も馴染めなかった。

結局、一生懸命翻訳した日本語は、「公式の基準書」の中には存在するが、誰にも使われなかった。ほんの一部を除いて。

苦労して訳した専門用語は、世間にも知られないし、それを仕事とする専門家にも使われない日本語になってしまった。

そこでは正確に誤解のない会話をするためにはカタカナ用語は必須だった。 翻訳された日本語で話すことは出来ない。 お互いに知らないのだから。

技術を海外から移入した日本では、このような職場はいっぱいあると思う。 外国語抜きでは仕事が出来ないのだ。 それがカタカナ用語になっている一面はある。

しかし、巷で使われているカタカナ言葉は、そのほとんどが日本語に置き換えられるもの。 必要がないのに個人の趣味で使われているものが余りにも多い。

テレビ、ラジオ、新聞等は率先して、正しい日本語を使うように心がけてほしい。 特にテレビ、ラジオに問題が多いと思う。 
posted by nakapa at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記