2008年11月06日

料金箱を素通りした女

2008/11/6

「料金箱を素通りした女」  
「だんだん」とは、島根・松江地方の方言で「ありがとう」と言う意味だそうだ。ところで、有難うとは全然違う出来事に遭遇してしまった。

朝の連続テレビドラマ「だんだん」を観終って、最寄の市電電停へと向った。 そのとき急に夕立のような雨が降り始めた。 凄い雨だ、皆、傘もささずにアチコチへ走り始めた。

私もようやく市電電停のひさしの下に潜り込んだ。 電車がなかなか来ない。 どうしたのだろう? ようやく来たが、だいぶ遅れているようだ。

電車に乗ると前方の雰囲気が刺々しい。 少し不良っぽい、お洒落な女性が運転手に文句をいっているのだ。

「遅いじゃない! 何で遅れるのさ。 この電車、何時の電車なの!!」
凄い剣幕だ。 そばにいても少し怖い感じ。 運転手さんは下を向いて黙っている。 運転中だから前を向いていると思うけれど、そんな感じだ。
 
突然、「バーン! チン」 と凄い音にビックリした。 彼女が力任せに降車ボタンを叩いたのだ。 凄い迫力だ。 全身から怒りを噴出している。

停止すると運賃も払わないでバタバタ音をたてながら降りて行った。 赤信号を無視して大またでスタスタ歩いて行った。

乗客一同、あっけに取られて棒立ち。 運転手もダンマリ。 一体どうしたことだろう。 終戦直後の混乱した時代に逆戻りしたような感じだ。

信号無視して颯爽と歩く後姿を見て、妙に感心してしまった。 人間、迫力だなぁ。 迫力さえあれば料金箱など素通りできるのだ。
posted by nakapa at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記