2008年09月05日

患者(私)取り違え事件

2008/9/5

「患者(私)取り違え事件」         
「病院で患者の取り違え事件があったのですよ」
「だれとだれが?」
「私と知らない人」
「赤ちゃんじゃないんだからワシじゃないと言えばいいだろう」
「間違えられていることに気付かなかったのですよ」


朝一番で血液検査のため、かかり付けの病院に行った。 検査室の前では大勢の人が検査の順番を待っていた。

まだまだ先だなと思って本を読んでいると、「西川博さーん」と呼ばれたので検査室に入った。 

すると後ろの方で「オレの番だ」とブツブツ言っている人がいたので、聞いてみると、彼の氏名は「西川きよし」だった。

「間違えちゃあダメだよ。2回目だよ。しっかりやらなくちゃ」とか、看護師さんに文句を言っている。 

聞き違えた私が悪い。 彼が怒るのも無理はないと思ったが、彼が怒る本当の訳は後で知ることになる。

西川きよし? この名前どこかで聞いたような気がするが思い出せない。 しばらくすると私の名がよばれた。 こんどこそ間違いない。

検査室に入ると、ふとあることを思い出した。 2か月前、検査に来たとき、この西川きよしさんと間違えられて「24時間ホルダー心電図」を装着されそうになったのだ。

採血されながら看護師さんに言った。「私、あの人と間違えられてホルダーを付けられるところでしたよ」。

「えッ、あなただったの! 病院中大騒ぎになったのよ。 婦長さんから注意があって…」

そういえば、今回の人物の確認作業は、前回に比べてやけに念入りだった。 

名前と生年月日を言わされ、「血の入れ物」に貼った氏名の確認。さらに採血を依頼した医師名の確認もあった。

ここまでやれば間違える心配はない。 さっき「間違えちゃダメだ」と文句言っていた西川きよしさんと2回も間違えられるとは思いもよらなかった。 

その結果、念入りになった確認方法。 私たち二人は、図らずも病院のマニュアルを変えてしまったのかもしれない。 これはスゴイ!(かもしれない)

あのとき私は、間違えられた相手の人の顔が見たいと思った。 理由はないが一体どんな人と間違われたのだろうと興味があった。 

偶然会うことになったが、色の黒い暗い感じのヨボヨボな人だ。 私が「西川博ですが…」と話しかけたときも、ウンでもスンでもなく押し黙ったまま。まるで病人のようだった。

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ついでだから「患者の取り違え事件」の概略を説明したいと思う。 いかにしたら人間は他人と間違えられるか。どうしたら避けられるか、参考になるかもしれない。

面白可笑しく書いて、笑って欲しいのはやまやまだが、それでは長くなり過ぎる。 経過のみを簡単に述べるつもりだ。

採血が終わると診断である。 看護師は「二診に行ってください」と言った。 行ってみると、いつもと違う場所に「第二診察室」と書いてあった。 

診察室がいつもの場所と違うので看護師さんに聞いたら、「表示が変わっただけです。その場所でいいですよ」と言った。

名前を呼ばれたので診察室に入った。初めて会う医者だったが、最近はよく変わるので、「またか」と思っただけだった。

「検査の結果では血糖値がうんぬん…」と、先生。
「一時的なものではないでしょうか。1か月くらい入院して、退院しても家でゴロゴロしたいたものですから悪い数値が出ているのです。それで今日再検査に来ました」

「一時的じゃあないよ。今日だって悪いし」
「もう、結果が出たのですか?」 結果が出るのは10時ごろのはずなのに、今は9時前だ。何か変だと思った。

「出てるよ。なにか心配事でも?」
「ときどきクラッと来るのですが、今までなかったことなので心配です」

「○○の数値も悪いし、24時間携帯の心電図で検査しなさい」

訳が分からないが、心配だから心電図検査を受けるけることにした。診察が終わったが、いつもと違って待っていてもなかなか看護師さんが説明にこない。

「西川博さーん」。 遠くの方から私を呼ぶ声が聞こえたが、あちらから呼ばれるはずがないので、無視した。

遠くの方から看護師さんが走ってきた。「西川博さんですね。八診に来てください。二診の後、八診と言われているでしょ」と非難するように言うが、私には何のことか訳が分からない。

「24時間心電図の予約したでしょ」と、さらに厳しい声で言いながら予約票を私の前に突き出した。
「あれっ! これ別の人ですね。私は博、こちらは きよし、人違いと思います。確認してください」

看護師さんの顔色が変わった。「ちょっと待ってください」と、慌てた様子で診察室に駆け込んだまま出て来ない。 

なかなか出てこないので別の年配の看護師さんに、一部始終を話したら、その看護師さんも室にはいったまま、なかなか出て来ない。

しばらくすると責任者らしい年配の看護師さんが先ほどの看護師さんを従えて来た。

「ほかの人と間違えたようです。私たちも気をつけますが、患者さんも気をつけてください」と責任者が言った。

「名前を呼ばれたから診察を受けたのです。自分の氏名を見るチャンスもなかったのですよ。どう気をつければいいのですか?」と聞くと、黙って行ってしまった。 

「先生は誰だか分からなくても診察できるのですか?」
「検査の数値があるからな」
「人は、いらないのですか?」
「人はいなきゃダメだよ」
「ダメですよね」
「いなけりゃ、血が採れないよ」
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2008年のアオサギ画像のまとめ

2008年5月30日
080530houhei.jpg
池に向かって立つアオサギ。

2008年9月5日
080905aosagi.jpg
なんとか近づいて撮ってみた。
タグ:アオサギ
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