2008年07月08日

お爺ちゃんと呼ばれて

2008/7/8

「お爺ちゃんと呼ばれて」         
「ショックですね」
「何が?」
「私のことお爺ちゃんと呼ぶのですよ」

「誰が?」
「最近、コイのことが気になるので、池を見ていると、後ろから声をかけられたのです」

「何て?」
「お爺ちゃん、池の中で泳いでいるのなに?って、聞くのですよ」
「あんたはお爺ちゃんなんだから当たり前だろう」

「同じ年のあなたもお爺ちゃんですよ。それでもいいんですか?」
「俺はお爺ちゃんだよ。孫がいるからね。だけど他人からお爺ちゃんとは呼ばれたことないね」

「子どもならともかく、お婆ちゃんからお爺ちゃんと呼ばれたくないですよ」
「おや! お婆ちゃんだったのか。 お気の毒様」

「いえ、お婆ちゃんは歓迎ですが、お互いに『お爺・お婆』と呼び合わなくてもいいと思うのですよ」
「じゃあ、なんと呼べばいいんだ」

「ふつうでいいですよ」
「普通ってなんだ?」
「例えば、青年が池をみていたとします。
 青年さん、池の中で泳いでいるのは何って、聞きますか?」

「ちょと、すみません。とか、失礼ですが、とか呼びかけるよ。見知らぬ人には丁寧にな」
「そうでしょう。少年、少女、青年、お爺ちゃんとか区別する必要ないのです。池を見ているのは私ひとりなのですから」

「そんなこと気にするなんて、ホントにあんたはお爺ちゃんだね。 だから言われるんだよ」
「……」

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ヨットも浮かんでますよ。リモコン操縦ですが。
posted by nakapa at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記