2008年05月12日

時間のブルジョア

2008/5/12

「時間のブルジョア」         
金のブルジョアがあるなら時間のブルジョアもあっていい。
「草思堂随筆(吉川英治)」よりの引用である。

「お金に不自由しない人がいるのだから、時間を思いっきり贅沢に使える人がいてもいいだろう。人それぞれの価値観で生きたほうが、愉快だし、楽だろう。」と言う意味だそうだ。

しかし、憧れの「時間のブルジョア」も、なってみれば大したことでもない。楽には違いないが期待したほど愉快でもない。

まして時間を思いっきり贅沢に使っている感じなどぜんぜんしない。 時間はいくらあっても足りない。もてばもっと欲しくなるものだと思った。

ある日中島公園で遊んでいる小学生から時間を聞かれた。 突然の難問にうろたえた。 実は時計など持っていないのだ。 

じっと空を見つめると藻岩山の上に太陽が見える。
しめた!と思い「3時15分くらいです。気をつけてお帰り下さい」と丁寧に答えた。

「時間のブルジョア」になった私は時計など持っていないのだ。その代わり太陽の位置で時間を計れるようになった。

自然の恵みと世間様に感謝しながらの日常。穏やかな暮らしも悪くないものだと思った。

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札幌市中島公園、菖蒲池越に藻岩山を望む。
posted by nakapa at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 中島公園