2008年01月10日

八窓庵倒壊から3年

2008/1/10

「八窓庵倒壊から3年」         
中島公園内日本庭園にある国指定重要文化財「八窓庵」が倒壊してもうじき3年になる。北海道では極めて珍しい400年の歴史をもつ茶室である。

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冬の雪害から守るため冬期間はプレハブ小屋で囲っていたが、プレハブ小屋そのものが雪の重みで倒壊してしまったのだから、どうしようもない。

現在復元工事中で早ければ今年の秋には復元される見込みである。

原因はプレハブの建築構造に問題があり、雪の重みに耐えられなかったことだが、もう一つの原因は、冬の八窓庵の存在がほとんど知られていないことと思う。

札幌に40年近く住んでいるが、冬の八窓庵が、閉鎖された日本庭園奥にあり、プレハブ小屋に囲まれていることを知ったのは、5年前のことである。ホームページ作成のため中島公園内を歩き回るようになって、初めて知ったことだ。

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今回は雪による倒壊事故だったが、世の中何があるか分からない。大切な文化財を庭園ごと閉鎖して、ひと気のない所に、しまって置くのはいかがなものか。 

大きなビルの中なら、話は分かる。しかし、ここは庭園だ。門を閉めても侵入者を防ぐことはできない。吹雪も積雪も地震も防げない。八窓庵を守るためには多くの人による監視が必要と思う。

日本庭園は冬も開放し、庭木を傷めない程度の除雪をして、人が通れるようにすれば、管理者の監視も行き届くし、散策する人がいち早く異常を見つけ、通報することもできる。

倒壊事故があったときは日本庭園は閉鎖されて無人となり、その中にある八窓庵は無人のプレハブ小屋の中にあった。周りには人っ子一人いない状態だったのだ。 

巡回管理も行われていなかったので、冬期間中まったく孤立していたのである。

倒壊の様子は百メートル以上離れている豊平館の窓から、たまたま見て居た人により発見された。

中島公園には冬でも毎日散歩する人が大勢いる。 外からプレハブ小屋を見れば、早期に異常を発見できる。 そうすれば今回のような倒壊事故は起こらなかったのではないだろうか。
posted by nakapa at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 施設